ショパール L.U.C XP 161902-5001 初の自社製でありながらも非常に野心的な姿勢を感じるムーブメント 〜機械的なこだわりとオーソドックスなデザインの中に少し崩しのエッセンス〜
さて、今回の時紡ぎは前回に引き続き、ショパール L.U.C XPです!
「宝飾系」というカテゴリーの中に入れてしまうには勿体無いほどの真摯な姿勢が伝わってくる・・・
そこにはジャガー・ルクルトにも似たこだわりを感じます。
自動巻きムーブメントでありながらも厚みを抑えるために、ローターを小さくしてムーブメントの中に組み込んだマイクロローター・・・今までパテック・フィリップやロジェ・デュブイなど、機械的な強みがあり、しかもその仕上げにも自信がある一握りのメーカーしか手がけなかった手法です。
それを初の自社ムーブメントに取り入れた・・・しかも加工に手間がかかるヒゲゼンマイ、徹底的な仕上げなど妥協を許さないものに仕上げた・・・。
さすがにそのままでは生産性が低すぎるので、いくつかの合理化を施したということですが、それでも結局生産性は変わらなかったというのがジャガー・ルクルトにも似た機械へのこだわりを感じるような気がします。
でも、そんな機械への熱い気持ちは全く感じさせない・・・どちらかといえば素っ気ないとも思えるようなシンプルな文字盤・・・。
インデックスなどにわずかに癖と色気を感じるくらいです。
そういった控えめな中のわずかな崩し方もなんとなくジャガー・ルクルトに似ているなあ・・・と個人的には思えるのです。
自分達のこだわりを機械にぶつけ、外装はごくオーソドックスなデザインだけれどもほんの少し自分達の色を混ぜる・・・これこそが時計メーカーの本来あるべき姿ではないでしょうか。